今回はロボット等含めたFA(ファクトリーオートメーション)機器についての記事になります。
そんな悩みを解消できるように手順をお教えします。
省人化を目指すのか、無人化を目指すのか、目的によって規模も違うし使う機種も違う。
皆さんが目指すFA装置の手助けになるはずです。
では以下より、設計する順番で説明します。
目次
FA機器の設計手順 その1調査【ポイントを見つける】
工場の中で、何が効率を下げているのか。どの作業を省力化・無人化したいのか。
まずはそれを見つけて、実際に何回も自分の手でやってみます。
その動作を人の手を使わずできる方法を探します。
ビジョンシステムを使うのは簡単ですが、費用も多くかかるので、ビジョンシステムは私の中で最終手段としています。
アイデアをしっかり絞り出して作る物は、意外と強いです。コスパもいいですし。
皆さんにもそんなFA装置作りを目指してましょう。
次にその作業を機械にやらせる時に、何が一番苦戦しそうかを探します。
【ここが最重要ポイント】という所を見つけます。
サイクルなのか位置決めなのか、先にラスボスを見つけます。
なぜならトラブルは最重要ポイントが多く起こすからです。
上手くいくか分からない事を100%で上手くやらなきゃ自動化としてはイマイチ。
トラブルがない装置を作る為に、一番苦戦しそうなポイントを見つけてましょう。
FA機器の設計手順 その2【構想図の作成】
ポンチ絵でも構いません、3DCADが使える人はCADを使った方がイメージが湧きやすいです。
そしてここでも最重要ポイントから手掛けます。
手順その1であるように一番トラブルが起きると思われる場所を優先しましょう。重要ポイントは細かく設定すると良いです。
「細部に神は宿る」なんて言われますが、まさにその通りで細かい所を雑にこなしては順調に稼働できません。
構想図と同時に動く部分に何を使うか考えます。
多軸ロボットや直交ロボット、単軸シリンダー。エアシリンダー、油圧シリンダー。
様々ですが機種選定も設計の内ですから、しっかりを選定しましょう。
FA機器の設計手順 その3【I/O点数の確認】
I/O点数の確制御側になります。
構想設計段階では大まかで構いません、規模を図るための確認です。
入力点数と出力点数が大体どの位なのかを数えます。
小規模ならしっかり確認してオーバースペックにならないようにしましょう。
FA機器の設計手順 その4【部品手配】
FA装置に使う様々な部品の選定をします。
私は動く物は日本製、動かない物はこだわらないとしています。
電磁弁、シリンダーなどは動作が入りますので日本製品を選びます。
動かない物とはノックピンやアクセサリ関係。
海外製品が悪いというわけではないですが、やはり日本製品はすばらしいです。
FA機器設計手順 その5【電気配線図の作成・配線】
制御盤作成や配線をします。
中規模~の装置でロボットを使うようならCClinkを使うと便利です。
配線工数が削減できます。
また、安全回路をしっかり確認しましょう。
FA機器の設計手順 その6【組み立て】
いよいよ組み立てに移ります。
慎重に確認しながら組み立てをします。
途中、設計図と違う所が出てきた場合、焦らずに場所の確認となぜそうなったかを見つけます。
トラブル回避の変更作業はその後で。
原因が分からず変更作業をすることがないようにしましょう。
FA機器の設計手順 その7【動作確認】
動作確認をします。
通常動作を確認できたら、非通常動作の確認をします。
ありえないタイミングでボタンを押してみる。
いきなりブレーカーを落とす。
一次エアーを抜く。
考えつかないような事をひたすらやってその対処方や回避方法を考え、プログラムに入れます。
実際に使うのは作業者という事を忘れずに。
FA機器設計手順 その8【安全対策】
ロボットを使う場合やプレス機等、危険を伴う装置には必ず安全対策をしましょう。
安全柵の設計。機器の選定。
最初の工程に戻ってしまうようですが別レベルで作業をしましょう。
安全第一を念頭に置きましょう。
ロボットを使う場合は安全扉に電磁ロックをつけてPLC側で施錠・解錠をすると良いです。
作業者が停止ボタンを押してから装置がとまりPLC側が解錠しない限り、作業者が安全柵の中に入る事は
できない。など方法は多々あります。
装置に合った安全対策を実施しましょう。
FA機器設計手順 まとめ
これらは筆者が装置を作る時の順番と考えです。
お金をかければ良い装置になるわけではありません。
どれだけその商品の為、人の為を思ってアイデアを出すか。
一番最初の、調査です。
物に、人に、のめり込んで良いFA装置を作っていきましょう。