産業用ロボットのティーチングの手順について質問されるので、解説していきます。
効率良くティーチングする方法を知りたい人は、ぜひ読んでみましょう。
本記事の内容
・ロボットのティーチング手順
・顧客が管理しやすいプログラム
目次
ロボットのティーチング手順
ロボットティーチングを効率化するためには手順があります。
位置命令を作っていきなり分岐命令や出力命令を追加していくと迷子になりやすいです。
一番ティーチングが早くできた手順を紹介します。
効率的なティーチング手順
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1フローチャート作成分岐の確認
どういった順序でロボットを動かすのかを整理します。
フローチャートが出来ていないと確実に迷子になるのでしっかり構築しましょう。
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2位置命令を出す
フローチャートをもとにロボットに位置命令を出していきます。
現段階では速度や位置決めレベルは設定しないようにしましょう。
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3速度の設定
すべての位置命令が終わったら速度を付加し、実際に自動をかけて確認します。
速度=50%という速度は、実際に動かさないとどの位の速度かがわかりません。
%表示はロボットの姿勢に影響されます。㎜/sではないことを理解しましょう。
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4位置決めレベルの設定
速度が決まったら位置決めレベルを設定します。
位置決めレベルとは制御点を確実に通るかどうか、くらいの認識で大丈夫です。
場合によって、この段階でタイマーも付加していきましょう。
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5分岐・出力プログラムの作成
IF文やCALL命令、出力命令を入れていきます。
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6動作確認
テスト運転から始めて問題なければ自動をかけてみましょう。
以上の手順ですすめていくと、間違いが少なくなり結果的にティーチングが早く終わります。
ティーチングのコツに関してはこちらで紹介しています。
産業用ロボットティーチングのコツ【初心者に必要な2つの知識】
管理しやすいプログラム
ロボットティーチングの手順の他にも気をつける点があります。
管理のしやすさです。
ソフト面の《管理しやすい》とは、誰が見てもわかりやすく、追加更新するときに間違えにくいプログラムとします。
ハード面では、権限者のみがプログラムを触れるようにする。管理場所が明確になっている。が挙げられる。
今回はソフト面について解説します。
わかりやすいプログラム
結論として、二つ。
・分岐を少なくする。
・デジタル位置を使わない。
なぜ分岐を少なくするのか
分岐が多くなるとJUMP命令やCALL命令が多くなり、プログラムがゴチャゴチャしてしまいます。
講習では重要項目として習いますが、多様すると見にくくなってしまいます。
ハードの設計や工程を工夫して、できるかぎり分岐は少ないプログラムの方が読みやすいです。
デジタル位置を使わない。
デジタル位置とは、制御点を登録せずに演算によってロボットの位置を制御する方法です。
デジタル位置は便利ですが、装置などを移動して再ティーチングするときに悪夢が笑。
一箇所ズラすと関係するデジタル位置すべてがズレます。
使わないでできるなら、使わない方がよいです。
ロボットのティーチング手順【まとめ】
今回解説したように、ロボットティーチングは手順にそって作業したほうが早く立ち上がります。
最初は少し回りくどく感じるかもしれませんが、失敗が少ない手順となっていますので、ぜひ試してみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。